ザクの『スパイクアーマー』について考える
ハローみんな、ガンダムお兄さんだよ。
突然だけど皆、ガンプラって作る?
お兄さんはガンプラ好きでよく作るんだよね~。
特にザクのプラモが好きでよく作るんだけど、
スパイクアーマーの組み立てが最高に嫌いなんだよね。
…いやね、プラモデルだもの。複雑な構成の部分に合わせ目(パーツとパーツの境目。目立つ)が出るのはわかる。すげーよくわかる。
だが毎度毎度『スパイクアーマー』の部分に合わせ目が出るってのはどういうことだああ~っ??
毎回毎回バカみたいにモナカ構成にしやがってよーッ!
ナメやがって、超イラつくぜぇ~ッ!!
(MGやRGみたいなスケールのモノは合わせ目がなかったりする)
合わせ目を消そうにもスパイクが飛び出てるもんだから作業しにくいし…。
ていうか、そもそも『スパイクアーマー』って必要なの???
ザクの前身である旧ザク(ザクⅠ)には肩アーマーはあるけどスパイクアーマーはまだ存在しない。
wikiによると、
ということらしい。
成る程、つまりMSやそれに準ずる兵器を意識した装備ということだ。
えっ、それだけ?
もっと説明は…。
そもそもザクの近接装備といえばヒートホークがあるし、肩に角付けるくらいならヒートホークを増やすとかもっと使いやすいモノにするとかした方が良いのでは?
スパイクアーマーで格闘というと、やはり有名なあのシーンのようにタックルをかますのが一番効果的だろう。
ザクの本体重量はおよそ50t。その質量が推進力約40000㎏の加速に乗ってぶつかってくるのだから、相手はひとたまりも無い。これは確かに強力だ。
しかしこの攻撃方法、一つ重大な問題を孕んでいる。
タックルの衝撃はザク本体にも返ってくるのだ。
ザクの装甲はスチール合金製で出来ているのでそうそうなことでは壊れないが、複雑な間接機構はそうは行かない。こんな衝撃が加わればマトモに動く状態ではないだろう。ましてやタックルで使われるのは肩。左腕はまず使い物にならなくなる。やっぱダメだろこれ。
しかし、ジオン技術部もバカではない。
きっとこのザクの後継機はこのスパイクアーマーの反省を活かしているはず
いや増えてる。
しかも微妙に曲がってて使いにくそう。
どうやって刺すんだよ真ん中のツノ。
グレンダイザーの耳みたい。
何考えてんだジオン技術部。
しかし更にその後継機達ではスパイクアーマーはキレイサッパリ無くなっている。
どういうことなの…。
だが待って欲しい。
この一見するとただの迷走にしか見えないスパイクアーマーの紆余曲折も、実は病むに病まれぬ事情があったのではないだろうか。
そもそも、ザクが生まれた時代はいつか。
一年戦争開戦前、MSはザクしか存在しない時代である。
ジオン軍も切り札であるMSに対抗しうる兵器の存在は常々気にはしていたのだろう。
しかし、肝心の対抗兵器がどんなモノか想像出来なかったのではないだろうか。
この時代の連邦軍の主戦力は戦艦に戦闘機なので、ジオン軍もまさか自分達と同じMSを相手が運用して来て、あろうことかジェダイの騎士よろしく光るビーム剣で斬りかかってくるなんて思いもしていないはず。
結果的に想定される戦力は『現行兵器』以上『ザク』未満に絞られる。
そうして、それらを使って得たデータを反映していくしかなかったのではないだろうか。
そうなってくると、当時の段階ではスパイクアーマーは結構有用な装備だったのかもしれない。
普通、戦闘機や戦艦と対峙した際は必然的に火気類を使った銃撃戦になる。
しかしそこはMS。既存の兵器とは違った立体的かつ高速な軌道を取ることが出来る。
必然的に戦闘機や戦艦と意図せず肉薄するケースが多かったはずだ。
そんな状況で都合良くヒートホークを当てれるだろうか?
一部のエース達を除いて、この時の多くの無名なパイロット達はまだ練度も低く、そんな芸当はなかなか出来なかったはず。
そんな時にタックルで敵に致命傷を与えられるスパイクアーマーは、まさに新兵達にとっての最後の手段。懐刀のような存在だったろう。
そんなデータを受けたジオン技術部。
多くの兵士達がザクのスパイクアーマーを使った攻撃を多様している状況を鑑みて、来るべき地上戦用の新型MSにそのデータを適用したのでは?
その結果が両肩スパイクアーマーだったのかもしれない。
しかし開戦後、連邦軍が本格的にMSを運用し始めたことによって状況は変わってくる。
スパイクアーマーを使ったタックルは、敵もMSを使うことによってアッサリかわされるようになり、ましてや不用意に近づけばビームの剣でバッサリ。
そもそも近接戦闘を仕掛けること自体がリスキーになってしまった。
結果的にスパイクアーマーはグフ以降のMSには使われなくなっていき、その役目を終えていったのである。
あぁ哀れスパイクアーマー。
所詮彼は時代の敗北者なのだろうか…。
???「取り消せよ…!今の言葉…!」
お、おまえは!!
スパイクシールド!!!
そう、実はスパイクアーマーには兄弟がいた。
血を分けたと言ってもいい無二の兄弟が。
その名前はスパイクシールド。
盾にトゲが付いてるだけの代物である。
しかし侮るなかれ、コイツはスパイクアーマーの問題だった部分を見事にカバーしているのだ。
まず基本的には手持ちの装備なので、瞬時に攻撃に転ずることが出来る。ボクサーが常にグローブを嵌めているようなものである。
流石に全体重を乗せたタックルほどではないにしろ、MSの馬力から繰り出されるトゲ付き右ストレートなのだから、その破壊力は想像に難しくはない。
そしてそもそも盾なので、非常に堅牢である。
ちょっとやそっとでは決して壊れない。
正にスパイクアーマーの正当な後継者。
それを裏付けるかのように、スパイクシールドはスパイクアーマーを持たない多くのMSで使用された。
そして宇宙世紀0096、スパイク達の悲願は豊潤の時を迎える…。
そう、シュツルムガルスである。
この機体、通常時はまるでスパイクアーマーのように肩に懸架したソレを、戦闘時には両手に移動!スパイクシールドとして両の拳に装備される、正にジオンとスパイク達の悲願のような機体なのである。
宇宙世紀0096といえば、ビーム全盛の時代。
それどころか、なんか変な金属と変な連中がいればどんな奇跡も起こせる時代である。
そんな時代に己の拳とスパイクで殴り込むシュツルムガルスこそ正に真のガンダムファイターと呼べるだろう。
ありがとう、シュツルムガルス…。
こうして、スパイクシールドの意思は宇宙世紀に刻まれたのであった……。
あれスパイクアーマーどっかいった。
というわけでスパイクアーマーについてざっと考えてみました。
実際スパイクアーマーあった方がカッコいいっていうのが最大の理由なんだろうね。
何せカッコいいからね、うん。
そんな訳でまたお会いしましょ~。
ば~い。