おす邸の天井

ダメな男の日常を綴る場所

第1.5回 シンエヴァ感想 シンジの髪が伸びない理由

どうもアル中お兄さんです。

 

前回、「エヴァの呪縛」について書きましたが、シンジの呪縛に関して少し考え方が変わったので書き留めておこうと思い、2回目の感想と分けて記事にしました。

 

 

 

・シンジの髪が伸びない理由

 

f:id:osti:20210326223833j:image

 

エヴァの呪縛に囚われた者の外見は一切変化しないが、唯一髪だけは伸びる

 

これに関してマリは、

「髪には人のカオスが宿る。だから伸びるし、それは人である証拠」

というようなことを話していた。

 

しかしそう考えると、シンジの髪が伸びていないことが疑問になる

 

シンジは14年間初号機の中で眠っていた訳で、本来なら相当な長髪になっているはず。

最初このことを考えた時に、「シンジはサルベージされた直後だから伸びていないのでは?」と思っていたが、それはおかしい。

何故なら初号機の中にいたポカ波の髪はしっかり伸びていたからだ。

 

例えエヴァの中で眠っていたとしてもパイロットの髪が伸びるなら、サルベージされたシンジも髪は長いままのはず。

(ましてやサルベージされたシンジの髪を、意識がないうちにヴィレスタッフが切ってあげたとも思えないし。マリならノリノリで切りそうだが。というか、ヴィレのスタッフが刃物を持ってシンジに近づくことをミサトさんが許すとも思えない)

 

 

 

ではシンジに「エヴァの呪縛」はかかっていないのか?しかしそうなるとどうしてシンジの姿は14年前から変わらないのか。

 

そこを考える時に、いくつかヒントになるセリフがある。

 

一つ目はアスカの「リリンもどき」というワード。

どうもアスカが言うには、シンジは「リリンもどき」と言う状態らしい。

 

劇中でリリンもどきという物に対してしっかりとした説明はされていないが、アスカの話や劇中の描写を見る限り、食事が必要だったり眠ることも出来るが、L結界密度の高い場所でも普通に活動できるらしい。

 

リリンとは勿論、人間のこと。

それの「もどき」なのだから、似て非なる存在なのだろう。

アスカの話しぶりだと、どうもエヴァの呪縛における過渡期のような状態らしい。

 

しかし、本当にそうだろうか。

 

もしアスカが言うように、今のシンジがエヴァの呪縛における初期段階だとするなら、アスカと同じくエヴァパイロットになって14年経っているのに症状に分岐が起きていることになる

 

エヴァに乗っている回数や期間の問題か?となればますますおかしい。

アスカは14年間戦いっぱなしだったとは言え、常にエヴァに乗っていた訳ではない。

しかしシンジは14年間、本当にエヴァに乗りっぱなしだったのだ。むしろアスカより呪縛の症状は強く出ていないとおかしい。

 

 

では何故…。

 

他にもヒントになるセリフはある。

 

 

シンエヴァ終盤、ゲンドウのセリフで「ここにいたのか、ユイ」とシンジを抱きしめるシーンがある。

 

初見時、これはゲンドウもユイの死を受け入れることで、シンジの中のユイの面影や思い出を受け止めることが出来たシーンなのだと解釈していた。

(映画でよくある良いシーンですよね)

 

しかし、その後にシンジがユイと対面した時に気になる言い回しをしていた。

 

「このために母さんはずっと僕の中にいたんだね」

 

シンジ自身が、「ユイは自分の中にいた」と認識していたのだ。

 

ここで?マークが浮かぶ。

 

ユイが取り込まれていたのは初号機の中だ。

実際、ゲンドウは最後にユイと会う為にヴンダーから初号機を回収している。ゲンドウも、ユイの魂の所在は初号機にあると認識しているのだ。

 

しかしシンジの言い方では、本当にユイは自分の中に居たことになっている。

 

更にシーンは遡り、ゲンドウが補完が進む心象世界でユイを探すシーン。ゲンドウがどれだけ探しても、ユイは見つからない。しかし、代わりにそこにはシンジがいた

「どうしてここにシンジがいる?」とゲンドウ自身も疑問にしていた通り、ゲンドウは初号機の中のユイを探していたのに、そこにはシンジがいたのだ。

 

これはどういう状態なのか。

ユイは初号機ではなくシンジの中に居て、初号機の中にはユイではなくシンジがいる

騙し絵のような構図になってきた。

状況を整理しよう。

 

 

・シンジは人間ではなく、それに似た別の存在。

・ユイはシンジの中に居た。

・ゲンドウがユイを探して行き着いたのがシンジだった。

 

これだけではさっぱりわからない。

 

しかし、ここで重要なヒントが出てくる。

シンジと初号機のシンクロ率は無限大だったということ。

 

シンクロ率が無限大とは、どういうことだろう?

シンクロとは同期する、同調するといった意味の言葉だ。シンクロ率が高ければ高いほど、パイロットとエヴァが一つになっていると言える。それが無限大ということはどういう状態か。

 

そう、初号機とシンジはイコールの存在。

シンジ=初号機なのだ。

 

そう考えれば先程のゲンドウとシンジのセリフも合点が行く。

シンジと初号機が同一の存在なら、ユイはシンジ(初号機)の中に居るし、初号機(シンジ)の中にユイが居たと言える。

 

 

では、シンジの見た目が変わらない理由は?

 

それに付いては、先程のシンクロ率が答えになる。

リツコさんはシンジのシンクロ率が無限大であるということを、わざわざ「インフィニティ」と呼んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

エヴァで「インフィニティ」…?

確かそんな名前のものが劇中で登場していたはず。

 

 

 

 

 

 

そう、エヴァインフィニティである。

ゼーレが目指した真のエヴァンゲリオン

人がその肉体を捨て、知恵の実と生命の実の両方を持った神に等しき存在

 

エヴァインフィニティの正体とは、シンクロ率が無限大となった人とエヴァの融合体だったのだ。

 

つまりシンジ=初号機は、劇中に登場した最初のエヴァインフィニティだった。

いや、オリジナルのエヴァインフィニティと言うべきか。

 

 

この説を補強するように、式波ロットのオリジナルはこのようなことを話していた。

「最後のエヴァは神と同じ姿」と。

 

最後のエヴァとは、第13号機のことだろう。

(マリが8号機を最後のエヴァと呼んだのは、あくまで結果的にそうなったからだと考える)

 

どうも神とは、第13号機と同じ姿らしい。

 

f:id:osti:20210326210422j:image

 

f:id:osti:20210326210705j:image

 

そう、第13号機と同じ姿をしているのは劇中で初号機のみであり、それが神の姿なら初号機とシンジこそ神=エヴァインフィニティとなるのである。

 

ニアサードによってガフの扉を開いた初号機とシンジは、シンクロ率無限大=エヴァインフィニティという一つの生命体になってしまっており、その段階から神に等しい存在になっていた。

サルベージされたシンジは言うなれば幽体離脱のような状態であり、本来の肉体(初号機)から切り離された存在なので食事や睡眠が必要であるが、シンジ自体が神に等しい存在であることに変わりはないので、人の原罪無き穢れの無い世界=L結界濃度の高い空間でも平気、という訳である。

 

 

 

そこでマリのセリフを思い出そう。

「髪には人のカオスが宿る。だから伸びるし、それは人である証拠」

 

人では無くなったシンジには、人の持つカオスが無い→だから髪は伸びない

 

 

 

思えば、劇中で髪型の変化しないチルドレンが他にもいた。

カヲルマリだ。

f:id:osti:20210327014957j:imagef:id:osti:20210327015000j:image

 

この二人は描写がないだけで散髪していると思えばそれまでだが、実際に14年前から髪型に変化がなく、その理由も言及されていないのはチルドレンでこの二人だけである。

 

そしてこの二人の共通点、それはどちらも使徒であること。

(この辺は前回の考察参照)

 

使徒は生命の実を待つ、人ではない存在。

故に人ではないので人のカオスの宿る髪は伸びない、という理論が成り立つ。

 

 

 

以上のことから、シンジは髪が伸びないのである。

 

 

 

 

まとめ

 

・シンジはニアサード以降、神に等しい存在=エヴァインフィニティとなった為、人の象徴である髪は伸びなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、シンジの髪が伸びない理由を個人的に考えてみました。

 

個人的には、ANIMAみたいに長髪シンジとマリの絡みが見たかったので、最後のシーンは長髪シンジくんにして欲しかったな…と。

 

 

では、次回こそ本当に第二回考察にします。

ではまた。