おす邸の天井

ダメな男の日常を綴る場所

立呑屋に行ってみた話。

皆さんこんにちわ。

コンビニで季節モノの酒に半額ラベルが貼ってあるとテンションの上がるアル中お兄さんだよ。






今回は札幌の立呑屋さんに行ってきたから、その話をするよ。






そもそも立呑屋って?

まあ読んで字の如く『立ちながらお酒を飲むお店』のことです。決して如何わしいお店ではない。

ぼくが初めて立呑屋に行ったのは、大阪の西成にあるとあるお店。
現地の友人が何件か連れていってくれたのだけれど、その独特の雰囲気と鼻から前頭葉が飛び出るような値段の安さに衝撃を受け、すっかり魅了されてしまったのだ。







札幌にもあんな立呑屋はないものだろうか…と食べログやらヒトサラと睨み合ってみるものの、なんだかオサレな雰囲気のお店ばかり。

違う、確かにそういうお店はお店で行ってみたいけど、そういうことじゃないねん…立ちバルって何だよスゲー良さそうジャン…。








あと値段。
正直、西成価格が北海道でもあるとは思っていなかったが(あっても絶対に行かない)、それにしてもそこそこな値段がする。

ほとんど居酒屋一件ぶんくらいの予算設定が多い。これでは居酒屋の中で立ってるようなもの。罰ゲームかよ。








そしてそもそも札幌、立呑屋自体の数が少ない。

北国故にお店は基本的に屋内、大阪のような雑多な雰囲気の立呑屋というのは土地柄的に難しいのだろうか…。







しかし、そこで諦めてはダメ人間の名が廃るというもの。

しばらくレビューやブログを眺め続け、理想に近い立呑屋を何件か見つけた。










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そんなこんなで中央区まで出てきたよ。




さて、今回行くのは札幌駅周辺のお店。

まず足を向けたのは札幌駅直結のビルにある『立呑みパラダイス』。




ここのお店はなんといっても14時から16時半までの限定でやっている立呑セット。
コイツを楽しみに15時頃に突撃するも、なんとこの日は17時からの開店。そんなぁ…。










仕方ない、と頭を切り替えプランBへ。

本当は二軒目に行こうと思っていた『すいえん』へ向かうことに。

https://s.tabelog.com/hokkaido/A0101/A010101/1001545/top_amp/




『立呑みパラダイス』は後に回すことにした。





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場所は駅前通に面した日本生命ビルの地下一階。
赤レンガテラスの真向かいって言えば判りやすいかな。





ガラス張りのオサレビルに入り中央の吹き抜けエレベーターをくだっていくと、なにやら食事処が集中したエリアに。


お高そうなお店からよく知ってるチェーン店まで。色とりどりの廊下を抜けていくと、フロアの片隅にお目当てのお店が。

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店内は縦長で奥に続く作りで、なかなかの狭さ。

右手側にカウンターがあり、そこで最初にモノを買い、自分で席に持っていくスタイル。


さぁてどいつを頂こうかと、カウンター上に貼られたメニューを眺める。


ここのお店も『すいえんセット』なるモノがありなかなかコスパも良さげだったが、お腹の具合を鑑みてとりあえず『スーパードライ(350円)』と『冷奴(200円)』を注文。


席はテレビ真下の端席にした。
まだ4時前だというのに店の中はなかなか混んでいて、良さげな席はここしかなかったのである。






まずはビールを一口。
アル中お兄さんが生を実感する瞬間である。生だけに。

値段がかなり安めだったので不安だったが、出てきたのはしっかりした中ジョッキ。
この日は秋の入り口といったような気温だったが、結構歩き回って汗もかいていたので、スーパードライのキレ味はちょうど良く感じた。



冷奴は生姜の上に鰹節を散らしたよく見る姿。
これよこれ。
すかさず醤油をたっぷりかけて頂く。

うむ、実に安心する味。
豆腐の食感と、醤油でくたくたになった鰹節が風味を整えるこの感じ。
こういう時、つい心の中で某グルメ漫画の台詞を呟いてしまう。

こういうのでいいんだよ、こういうので。



ここのような安さを売りにしたスタイルの店なら、下手に一品モノを頼むより見知った味の物を頼んだ方が案パイだろう。
(すいえんは一品モノもなかなか美味しいらしいです!)
どうやらこの読みは今回当たったらしい。

ボリュームも200円ならなかなかの大きさ。お兄さんの貧乏食いなら余裕で3杯は飲める量だ。





店の中をチラリ、と見渡せば、隣には大きめのバックパックをカウンターに掛けたお兄さんがちびちびとやっている。恐らく先ほど言ったすいえんセットだろう。
後ろにはいつから飲んでいるのかわからん爺さんが顔を真っ赤にしながらテレビを眺めている。
遠巻きには店の主人となにやら語らう別の爺さんの声。

これだよ、ぼくが行きたかったのは。

今は遠い記憶の中の西成とはまた違うが、この良い意味で殺伐としている感じ。
心地よい無言の間というか、必要以上に他人を気遣わない雰囲気がある店だった。



ちなみに写真が全然ないのは、お店のそういう雰囲気もあってなかなか撮れなかったから。
流石のアル中お兄さんも、席にでかでかと『携帯禁止!!!』と書かれている所ではオタク全開でパシャパシャ撮れませんでした。

(禁止ってのは多分通話のことだろうけど。)



結局すいえんではもう一杯ビールを頼んで40分ほどで退散。

ビール二杯に冷奴で締めて850円也。
うーむ、充分安く感じる。






店を出てからは次の立呑みパラダイスの開店時間まで駅前をぶらぶらして時間潰し。






17時より少し前に店の前に行くと、もう開いているようだった。

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札幌駅の地下鉄8番出口のすぐ横、札幌国際ビルの中に入って行き、目の前に出てくるエスカレーターを登るとすぐに横に見えるのが『立呑みパラダイス』だ。

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のれんを潜ると、店員のお姉さんが「お好きな席にどうぞ」と言うので、今度はテレビの良く見える端席に。



程なく先ほどの店員さんが注文を取りに来た。
どうやらここは店員さんを呼んで注文するスタイルらしい。



グルッとメニューを眺め、とりあえず『麒麟一番搾り(400円)』と、何やら異彩を放っていた『デカめの串カツ(正式名忘れた)(400円)』を注文。



先の店ではサラッとした物で終わったので、時間的にも少し胃に溜まる物が欲しくなってきていた。
ここで油物は我ながらナイスな選択だろう。



注文してすぐに運ばれてきた『麒麟一番搾り(400円)』。

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グラスもキンキンに冷えてご機嫌なご様子。

グビリと一口流し込むと、たまらず息が漏れる。
これぞ経口補水液
永遠に飲んでいられるね。




串カツを待ちながらチビチビやっていると、続々と他のお客さんがやってくる。

お兄さんより先に飲んでいたスーツのおじ様とご婦人、テレビを眺めている間にやってきた30代くらいのお姉さん。
先ほどの店よりも幾分柔らかい雰囲気。

夜も近いからか0次会のような人が来るのかも。
言うて平日なんだけどね。




そんな感じで店の中を眺めていると、先程のお姉さんが慣れた口調でホッピーを注文する。

ホッピー…。
結局未だに飲んだことがない。






そんなことを考えていると、店員のお姉さんがお待たせしました~と『デカめの串カツ(400円)』を運んできた。

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おお、デカイ。




すかさず店員さんに『ホッピーセット(400円)』を注文。

すぐに冷えたホッピーのナカと、キンキンの白ホッピーがやってきた。

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ホッピーの飲み方は一応知っている。
確か、冷えたグラスに入っているナカ(焼酎)に氷をガラガラと入れ、ホッピーを勢い良く注ぐ…。
決してマドラーは使わない。

これでホッピーの完成だ。




まずはグビリと流し込む。





…成る程、これはこれでアリだな。






ホッピー初体験の我が身としては、舌当たりはビールだが後味は完全に焼酎。
なんとも不思議な味だ。

正直、アル中お兄さんは焼酎があまり得意じゃない。
しかし、これはなかなかイケる。



これを戦後間もない時代の先人達がビールの代替え品として飲んでいた…なんとも感慨深い思いが湧いてくる。
いつだかTwitterで話したが、ホッピーは言うなれば昭和の発泡酒、立ち位置的には現代のストゼロであろう。
いつの時代も、ダメ人間達はアルコールを求めていたのだなぁ。


そんなことを考えながら、串カツを頬張る。

サクッとした衣に、ソース味の効いたカツが口一杯に油と共に広がる。
そしてすかさずホッピーを流し込む。


俺は今、生きている…。


これほど生の充足を感じられる瞬間があるだろうか。
生だけに。
あっ、生じゃなかった。



しかしこの串カツ、かなりのボリュームだ。

クソ貧乏人間であるアル中お兄さんならば、これなら四杯はイケる。


カウンターの奥に引っ込みそうになっていた店員さんを呼び止め、たまらず『ホッピーのナカ(250円)』を頼む。




また冷えたグラスに入ったナカが運ばれてきた。



また同じ要領で氷とホッピーを注ぐ。
成る程、人により程度は変わるが、ホッピーなら生をそのまま頼むより安上がりだ。

お兄さんのように外でも安く飲みたい社会的に最低の人間なら間違いなく一杯目からホッピーであろう。

更にケチれば最初のホッピーセットで三杯はイケるかも…。
そんなことを考えながら試合終了。




お代は正味合わせて1500円ほど。

少し高めだが、今回『立呑みパラダイス』では噂のセットが頼めなかったので、言うなれば本調子ではなかった。
足のないジオング、最終回のメガボイジャーみたいなものである。

近いうちに『立呑みパラダイス』にはリベンジする予定なので、その時にはまたブログでご報告します。















さぁて、いい具合になりながら帰りのバスに乗るために停留所へと向かう。


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途中、見上げた空がとても綺麗に見えた。


ビルに溶け込む夕焼けが、なんとも言えない景色に見えてくる。











帰路につくバスの中、アル中お兄さんはなんとも言えない幸福感に包まれていた。



西の空は暁に染まり、東には宵闇が迫っていた。






家に着いたぼくは、セブンの鍋焼うどんを食べて寝ました。







以上。














PS:次はいよいよすすきのせんべろ編です。